ジャイミニ占星術 関係


 j1: Mahamahopadhyaya Iranganti Rangacharya 「A Manual of Jaimini Astrology」sagarPublications(★)

 全83頁で,極めて薄い。ジャイミニのごく基本のみをさらってあるだけ。わざわざ買う必要なかった。

 

 

j2: V.P.Goel 「Predicting through Jaimini」sagarPublications(★★★)

 

・アルガラ,チャラダシャー,ジャイミニ流の部屋の強さラーシバラの算出など基本事項のほかに,マンドゥークダシャーやナラヤンダシャーの項目まであるが,いずれも導出方法の記述が主で,応用面の記載は薄い。本書のみでは実践に耐えないだろう。アルーダ算出の際,例外則の使用はない。

・疑問におもっていた,ラグナの違いははっきり書いてあって,参考になった。普通のラグナ=本人の願望,アルーダラグナはその外界への反映・他人からみた印象。カラカムシャラグナは本当の深層であり,KLはアセンダントよりも重要であるとのこと(7,9頁)。ラグナからの2Hが強ければ本人は裕福になりたいと思っており,ALからの2Hが強ければ友人等からみて裕福と思われていることを示す,という例が記載されている。

 

 

j3: Marc Boney 「The essentials of Jaimini」saraswati Publications(★★)

 ・7カーラカ制,アルーダ決定に例外則不使用。事例チャートは有名人が多い。

 ・KLについて,D9で使われるのか,D1に戻すのか,見解の対立があると書いており(32頁),参考になった。英文だけ読むと,どちらとも読めるので,以前から不思議であった。著者はD1に戻す派である。

 ・チャラダシャー解釈の文脈において,①(たぶんダシャーのラーシの)惑星の生来的吉凶 ②もともとの惑星の象意 ③チャラカーラカの象意 で解釈すると書かれており(47頁),②も加味されるらしい。ふーん。

 ・ジャイミニウパデシャスートラ1章1の翻訳つき。 

 ・個人的には,申し訳ないが有名人鑑定は信用していないし,いちいちアストロバンクでAAか確かめるのも面倒( 一一)。「kLがもっとも重要」としながら,のちの事例解説では主に普通のラグナを使っていることも多い。

 ・チャラダシャーでの婚期は,DKまたは金星の在住星座(D9での星座も含む)・その対抗(7H)ハウス・アスペクトしているハウス・同ハウスを7Hにもつハウス・D1での7H・A7・A12,MDとADの星座が1・7の関係にある場合が挙げられている。パラメータとして全く無意味である。失礼ながら,後付けのためとしか思えない。

 

 

 j4: K.N.Rao「predicting through Jaiminis chara dasha」Vanipublications(★★★★)

 ・チャラダシャーを標題に掲げているが,ジャイミニのアスペクトなど基本事項も書いてある。

 ・たとえば,(おそらく)チャラダシャーを前提とした婚期のパラメータとして,1H/7H,DKとそこからの7H,A12とそこからの7H,A7のLの在住星座とそこからの7H,D1において,D9でDKがいる星座とそこからの7H,DKがアスペクトしている星座などが挙げられている(64頁)。パラメータが多すぎて,「多くの事例に当てはまる」のは当然だと思う。

 ・AMK在住ラーシのダシャーにどうなるか、AKや射手座のダシャーにどうなるかなど、類書にない分析がされている点は非常に貴重。

 

j5: shalini dhasmana 「an introduction to jaimini system」all india federation of astrologiers societies(★★)

 

電子書籍。題名のとおり、ジャイミニの基本のみ。とはいえ、KLの星座ごとの特質、星座ごとのダシャーの特質、KL在住惑星ごとの特質がそれぞれ短くはあるが書いてあり、少し参考になった。KL在住惑星は職業に影響を与える模様。

 具体的な解釈論への踏み込みはほとんどない。

KNラオ氏の教えに感謝すると書いてあり、参考文献にも同氏の文献が上がっている。同氏の教え子のようだ。

 

j6:Sanjay Rath 「jaimini maharishis upadesa sutras」sagar publications(★★★)

 ・いわゆるジャイミニスートラの(英語への)翻訳本,注釈付き。1章から4章まで。

 ・チャラカーラカやジャイミニ的な部屋の強さの測定,ラージャヨガなどが記載されている。が,寿命や死期,寿命計算用のダシャーの解説が大半を占めるし,アルーダや見慣れない技法だらけなので,個人的にはなかなか実用しようという気にまではならない。