占星術 周辺


a: T.セルヴァ 「アーユルヴェーダ風水入門」ビイング・ネット・プレス(★★★★★)

 ワーストゥ関係。基本事項が網羅された良書。応用不能なマニアック領域にも踏み込んでおらず、読みやすい。日本語であるのもありがたい。占星術とのリンクは今ひとつ。色の影響、ヤントラ、転居の日の吉凶やアーユルヴェーダのさわりまで言及がある。著者はクアラルンプール出身だがインドでワーストゥを学んだ方。東枕推奨。

 

 

b: スワミ カレスワール「インド風水 ワースツ」(★★★★★★)

 図解も多く、道路、山、水場から室内のワースツまで言及、非常に分かりやすい。占星術的な言及は皆無。南枕推奨。たまにスワミ本人の含蓄ある言葉が挿入されている。「ワーストゥに逆らうということは、自分の足に向けて拳銃を発砲するようなものである。ワーストゥに従わない人は、例えその人がどんな立派な英雄でもこの世界ではゼロの価値しかない」113頁。言い過ぎのようにも思えるが、自然原則に逆らうのが賢明ではないことは確かである。家具の配置、土地の形状など、われわれは軽視しすぎているのかもしれない。

 

 

c:neeraj lalwani 「gem therapy in vedic astrology」gyan publishing house(★★★)

・宝石療法メインだが、占星術の基本もさらっと書いてある。吉星を付ける派、機能的吉星着用も許容。宝石ごと、病気ごとの解説あり。

・光線が通るようになっていれば,宝石は肌に触れずともよいとの記述あり(115頁)。

 

 

d:david frawley「ayurvedic astrology」lotuspress(★★★★)

・ 病気の観点から、星座や惑星、それに対応する身体のパーツやドーシャ、メンタル面、レメディなどの解説。機能的吉星の着用も許容。宝石の大きさ、台座、形態、複数着用など、論点は一通り掲載。宝石以外にも、惑星に対応したマントラ、色や香などの解説もあり、役に立つ。

・宝石処方は、凶星の石は凶の効力を強めることを理由に、吉星の石をつけることを推奨派。

 

 

s4:ashwinie kumar bansal「Vastu」barrons(★★)

大型本。ワーストゥの歴史から、色、小物、壁の塗り替えの具体的手順(笑)。そして、家の入口別の部屋の配置、部屋の中の理想的な家具の配置がくわしい。カラー写真満載。悪くない本だが、ワーストゥの和書があれば不要かも。

 

 

s5: vaibhav chawadre 「indian vastu shastra」(★★★★)

・大型本。著書のプロフィールも出版社も全く書いてない。出版場所はUSAと書いてある。

・シャーストラといえども古典の翻訳ではなく、ワーストゥの基本や目的別(金運、健康、結婚運など)、部屋別(居間、書斎、庭など)、用途別(オフィス、レストランなど)のオススメ処方がやや無愛想に羅列してある。図や写真が一切ない、、、、

・ただし、目的別や用途別の項目だては、使い勝手がよい。例えば、恋愛運を高めたいなら、南西を寝室に、ベッドの足側はドアに対面しない、南枕、トイレのふたは閉める、壁を明るい緑やバラ色に塗る(塗れないって、、、)、シーツは花柄の明るい色に、神様の象は寝室に置かない、などなど。全部実行すれば、それなりに人生好転しそうである。パステルカラーは金星を強めるから良い、といった、占星術的解説やリンクはない。

・安く買えるなら、アンチョコ本のひとつとして持っておいてもいいかも。ただし図解が全くないので、最初の一冊には全くオススメできない。

 

 

s6: talavane krishna 「vastu workbook」destiny books(★★)

・著書はマイソールのアーユルヴェーダセンターの方。惑星との絡みや、ナクシャトラに対応する植物なども載っている。ワーストゥの基本、土地の形状、部屋の配置など、だいたいの事項は載っている、可もなく不可もない。写真はなく、図解のみ。

・部屋の各区画単位でも、北東は空け、南西を重くするとよいようだ(31頁)。この点は参考になった。

・和書があれば、あえて買うまでもないだろう。

 

 

s7:andrew mason 「vedic palmistry」singingdragon(★)

・手相の本。と思ったら、半分以上、惑星、ナクシャトラ、レメディの基本解説だった( 一一)。手相解説も、例えば欠けた月の形が手にあると高貴な人だとか、抽象的な解説に終始。もっと、寿命や婚期など、具体的事例解説がほしかった。ホロスコープと併せて婚期や寿命をみれれば役に立つだろうに。

・手も、それぞれナクシャトラに対応する27区分があるのは興味深い(例えば親指の先はレヴァティ、手のひらの中心がアシュビニー)。

・レメディも、宝石の解説はあるが、肝心の石の選び方に関する記述がなく、中途半端。買わなければよかった。

 

 

 s8: V.B.アタヴァレー 「アーユルヴェーダ―日常と季節の過ごし方」平河出版社(★★★★)

 ・古典からの引用が満載。アーユルヴェーダは,古典をきちんと和書で読むのは難しいので貴重である。

 ・食物のみならず,朝の過ごし方,服装,性生活,季節に応じた過ごし方など,生活全般を網羅してある。

 ・宝石処方については,「宝石を透過した光が皮膚に当たって影響を及ぼす」とあり,宝石が肌に付いている必要はなさそうである。凶星の石も含めて紹介があるが,どのように宝石を選択するかについては記述がない。

 ・真面目にアーユルヴェーダを勉強するなら持っておきたい一冊。