凶星の宝石の処方


傷ついている吉星の石を身に着けて強化するのか,悪さをしている凶星の石をつけるのか,深刻な対立がある。

 

〇悪さをする星派〇

【BPHS86章】

・惑星が悪影響をもたらす時でも、適切に崇拝された惑星は其の者に良い影響をもたらす。ブラフマンは崇拝されるためにその惑星を創り出したがゆえに(ただし,宝石処方ではなく惑星崇拝の文脈)

 

【ナイキ④276頁】

・減衰している星は調和を乱しているとして,その星の宝石を(凶星であっても)つけるとされている。

 

〇悪さをする星のディスポジター派?〇

【ゴエル⑩134頁】

・D27において、傷ついている惑星ではなく、「傷つけている」惑星、しかもそのD30におけるディスポジターを「なだめる」(propitiate)ターゲットにしている(事例では,D27で金星を傷つけているラーフのD30でのディスポジター金星を対象にしている)。病気の軽快を狙う場合の特有の選択なのかも。一般化できるかは不明。

 

〇吉星派〇

【フローリー⑤200頁,d122頁】

・原則「弱っている」「吉星を」強化すべきと書かれ,凶星であっても機能的吉星なら強化することがありえるとしている。理由は、凶星の石は凶的効力も増してしまうと考えるため。トラブルの原因となる凶星の石を処方する流派があること自体は紹介されている。


【ナラシンハラオ395頁】

機能的吉星を選び、機能的凶星及びマーラカのダシャーのマーラカの星は避けるべきと書かれている。

 

【パタカ⑰121頁等】

・例えば火星については,乙女,牡牛,天秤ラグナの場合は赤サンゴはつけるな,それ以外のラグナの場合のみ火星期に赤サンゴを付けることは裕福になるために推奨されているよう(may wear red coral)で,アルゴリズム不明。少なくとも機能的凶星の場合でもつける場合はあるようである。

 

【ラルワニcの114頁等】 

基本、吉星の石をつける。ノードや土星火星も機能的吉星なら着用を許容する模様だが、慎重にテストランすることも同時に勧められている。どうしても結婚したい場合に結婚するまで例えば7、10支配の木星の石をつけることもありえるとも書かれている。ただし、目的をとげたらすぐ外せとも書かれている。

 

 【私見】

 「吉星を強化する」手法は無難だが,吉星を強化しても別に凶星の悪影響が消えるわけではないので,救済にはならないのではないか。凶星を「なだめる」対象にすべきと考える。凶星の石やマントラが現に存在することもこれで説明できる。

 なお,資金的に可能であれば,代替石でテストランをし,気分が悪くならないかどうか,試すとより良いであろう。

 

 

家の環境を変える(インド風水 ワーストゥ)


インド風水では、北東を木星が、南西をラーフが支配すると考える。良いエネルギーは北東から入り、南西にたまる、とも考える。よって、北東が最重視され、そこにモノを置かず、高さとしては低いこと,入り口や窓があることが最上とされる。なお、モノがあると、その方角の惑星の効力を減ずるとも考える。

 したがって、とりあえず借家では、正確に方角を測ったうえで、以下が推奨される。

 

1 北東に極力モノを置かない。最低でも、壁と家具の間にスペースをとる。北東に入口や窓があれば良い。

2 南西に重いモノ(家具など)を置く。カーペットを厚くする。南西の窓は閉めきること。エネルギーを逃さない。家の主人の寝室も、エネルギーのたまる南西が推奨される。

3 土星を活性化させる色、青黒灰はカーペットに使わない

4 壊れたもの、不要品(ラーフ)は捨てる

5 寝るとき、頭を北に向けない(南または東枕が最良)

 

特に、断捨離好きやミニマリストは、2に要注意。モノがあった方が良い方角もあるということである。

 

その他、ワーストゥでは、土地の形状や環境、庭、窓の数、ドアの大きさ、道路との関係など、たくさんの規律があるが、家を建築しようとしている方以外には関係ないので、割愛する。

借家をこれから選ぶ場合は,入り口が北東にあるか,北東が低い土地になっているか,南西に山など重量物があるかを気にしていればとりあえずよいだろう。